第2ステップ 守る

“出口”に向けて稼ぐことができたら、次のステップは『守る』。つまりは、「情報を見極めること」なのですが、実はこれがなかなか難しいのです。2017年頃に日本で「億り人」となった人の中には、守る=情報を見極めることができなかったために、その後、資産を大きく目減りさせてしまうパターンが続出しました。

そのきっかけのひとつとなったのが2018年、暗号資産やトークンを新規で発行することにより資金を調達する方法であるIOCInitial Coin Offering)で、ピーク時の1ヶ月間には1,000件ぐらいのプロジェクトが立ち上がりました。ところがフタを開けてみれば、全体の81%が詐欺案件で、お金を集めるだけで存在しない、絵に描いた餅のようなプロジェクト、6%は失敗案件で資金が集まらないまま終了・解散してしまったのです。実際に継続して上場したのは8%だけで、プロジェクトの92%がダメだったという結果でした。また、2019年のビットコインビジネスでは、99.8%のウォレットが出金停止もしくは遅延という事態になったのも記憶に新しいところです。

そして問題なのは、せっかく「億り人」になった人の多くが、情報を見極めることができないために、このようなNG案件に手持ちのビットコインをどんどんつぎ込んで資産を大きく減らしてしまったことです。当初、「億単位の資産が数百万になってしまった」といった声をよく聞き、日本に数百人いたと言われる「億り人」も、今では二桁の人数になったのではと推測されています。

このように、暗号資産の運用では出口戦略が大きなカギとなります。「情報を見極める」ことができるか否かで天と地の差があり、資産を維持し、『守る』ためにはとても重要なことなのです。

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